業として検体検査ができるのは誰?―人体採取検体の検査ビジネス

1. まず、結論から:4つの施設カテゴリが大枠。手続きが必要。

業として、人体から採取/排出された検体検査をすることができるのは、下記の施設です。
やはり感染の危険や、得られる情報が消費者の健康に与える影響を考慮してなのか、かなり絞られていますね。

2-(1). 順を追って説明:臨床検査技師等に関する法律を辿る

さて、上図の説明を順を追ってやってまいります。
「誰が人体から採取した検体を検査できるのか。」この答えを得るには、臨床検査技師等に関する法律と、医療法を見る必要があります。
まずは臨床検査技師等に関する法律から見ていきましょう。

① 臨床検査技師等に関する法律での定め(第20条の3)

臨床検査技師等に関する法律の第20条の3から、「検体検査を業として行う場所=衛生検査所又は病院、診療所、助産所あるいは厚生労働大臣が定める施設内の場所」、と読み取れます。

第二十条の三 衛生検査所検体検査を業として行う場所病院診療所助産所又は厚生労働大臣が定める施設内の場所を除く。)をいう。以下同じ。)を開設しようとする者は、その衛生検査所について、厚生労働省令で定めるところにより、その衛生検査所の所在地の都道府県知事(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。以下この章において同じ。)の登録を受けなければならない。

臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号). 令和三年法律第四十九号による改正. https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC1000000076(閲覧:2022−08−12)

② 第20条の3の「厚生労働大臣が定める施設内の場所」とは?(昭和56年厚生省告示第17号)

これは告示ではっきりと示されています。

  • 診療の用に供する:1保健所、2検疫所及び3犯罪鑑識施設が該当
  • 診療の用に供さない:4のイ〜ホが該当

臨床検査技師等に関する法律第二十条の三第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める施設

一 保健所
二 検疫所
三 犯罪鑑識施設
四 次に掲げる施設その他これらに類する施設であつて、診療の用に供する検体検査を行わないもの
イ 国又は地方公共団体の試験研究施設
ロ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学及びその附属試験研究施設
ハ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十二条、第二十三条の二、第二十三条の二十に基づき医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の製造販売業の許可を受けた者の営業所及び試験研究施設並びに同法第十三条、第二十三条の二の三又は第二十三条の二十二に基づき医薬品等の製造業の許可又は登録を受けた者の製造所及び試験研究施設
ニ 民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律の規定により設立された法人の試験研究施設(ロ及びハに掲げる試験研究施設を除く。)
ホ 人体から採取された検体(受検者が自ら採取したものに限る。)について生化学的検査を行う施設(イからニまでに掲げる施設を除く。)

昭和56年3月2日 昭和56年厚生告第17号「臨床検査技師等に関する法律第二十条の三第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める施設」(改正: 平成26年11月21日号外 厚生労働省告示第439号)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80025000&dataType=0&pageNo=1(閲覧:2022−08−12)

2-(2). 順を追って説明:医療法を辿る

正直、臨床検査技師等に関する法律だけでも十分な気がしてきましたが、実は医療法にも記載がありますので、併せて見ていこうと思います。

① 医療法による検体検査の業務委託の縛り(第15条の3)

医療法の第15条の3でも、検査業務の委託先としては「衛生検査所又は病院、診療所、あるいは厚生労働省令で定める場所」でなくてはならぬと定められています。

つまり臨床検査技師等に関する法律と合わせて考えると、助産所は「検体検査を自前でできるが受託検査はできない」ということですね。

第十五条の三 病院、診療所又は助産所の管理者は、検体検査の業務を委託しようとするときは、次に掲げる者に委託しなければならない。
一 臨床検査技師等に関する法律第二十条の三第一項の登録を受けた衛生検査所の開設者
二 病院又は診療所その他生労働省令で定める場所において検体検査の業務を行う者であつて、その者が検体検査の業務を行う施設の構造設備、管理組織、検体検査の精度の確保の方法その他の事項が検体検査の業務の適正な実施に必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するもの
2 病院、診療所又は助産所の管理者は、前項に定めるもののほか、病院、診療所又は助産所の業務のうち、医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務又は患者、妊婦、産婦若しくはじよく婦の入院若しくは入所に著しい影響を与えるものとして政令で定めるものを委託しようとするときは、当該病院、診療所又は助産所の業務の種類に応じ、当該業務を適正に行う能力のある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならない。

医療法(昭和二十三年法律第二百五号).令和三年法律第四十九号による改正.https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000205 (閲覧:2022−08−12)

② 医療法15条の3の「厚生労働省令で定める場所」とは?(医療法施行規則第9条の7の4)

これは、まずは医療法の施行規則を見ると…「施設告示」に書いているよ!とのこと。
そう、この施設告示とはすなわち2−1の②でお示しした「昭和56年厚生省告示第17号)です。繋がりましたね!

第九条の七の四 法第十五条の三第一項第二号の厚生労働省令で定める場所は、臨床検査技師等に関する法律第二十条の三第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める施設(昭和五十六年厚生省告示第十七号。次条において「施設告示」という。)に定める施設とする。

医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号).令和四年厚生労働省令第七号による改正. https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323M40000100050(閲覧:2022−08−12)

3. 実際の運用を見る:厚生労働省サイトでの、「検体検査」の扱い

確認も兼ねて、厚生労働省サイトを覗いてみると、下記のような記載がありました。はーい、という感じですね。

人体から排出され、又は採取された検体の検査を業として行う場所は、病院、診療所、助産所又は厚生労働大臣が定める施設内の場所を除き、衛生検査所として、都道府県知事の登録を受ける必要があります。

厚生労働省医政局. "検体測定室等について".厚生労働省. 閲覧2022-08-12.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098580.html

4.結論にもどってまとめ

これまでお伝えしたとおり、人体から得た検体を使って検査をすることができるのは、限られた施設に制限されています。
今後は健康自己管理の意識向上から「診療の用に供さない検体検査」のニーズが増えることが予想されます。
薬局さん等の検体測定室としての届け出や、郵送型検査サービスを受託できる衛生検査所の登録が伸びるかもしれませんね。

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