医療資格者の業務範囲を整理してみる (3)保健師
本シリーズ、今回は保健師について。
他の職種ページへの移動は、本シリーズの「0(前提)」ページにリンクを置いてありますのでそちらから。
(3)保健師(保健指導)
身分の根拠法
保健師は保健指導をする職種です。
その身分の根拠法は保健師助産師看護師法(保助看法)です。
第二条 この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)施行日: 平成三十一年四月一日, https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000203_20190401_430AC0000000066
業務
まずは図で大枠を見ましょう。
本シリーズの「0(前提)」で紹介した厚労省作成の図を簡略化し、いくつかの要素を追加した上で、保健師の業務範囲等を書き込んだ図を作成しました。
- 保健師は、保健指導を業とする者で、①業務独占はありませんが、②診療の補助をすることができ、そして③その他の業務を行うことができます。
①業務独占:なし
保健指導は保健師の業務独占ではありません。よって他職種でも後に述べる名称独占に抵触しなければ保健指導は可能です。
②他職種による保健指導
業務独占じゃないので、多職種は保健指導できます。名称独占があるので、保健師と名乗ってはNGです。
③その他の業務
★療養上の世話と診療の補助
保健師は、看護師の業務独占範囲の業務(療養上の世話と診療の補助)を行うことができます(第31条第2項)。
第三十一条 看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)施行日: 平成三十一年四月一日, https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000203_20190401_430AC0000000066
2 保健師及び助産師は、前項の規定にかかわらず、第五条に規定する業を行うことができる。
そもそも、保健師は、保健師国家試験及び看護師国家試験に合格しないとなれないのです(平成18年改正)。
第七条 保健師になろうとする者は、保健師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)施行日: 平成三十一年四月一日, https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000203_20190401_430AC0000000066
2 助産師になろうとする者は、助産師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。
3 看護師になろうとする者は、看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。
診療の補助を定義づけていると言われる保助看法第37条でも保健師の関与を受容しています。
看護師の業務独占についてもうちょっと詳しくは、本シリーズの「(5)看護師、准看護師」ところで述べます。
★その他業務
その他保健師が可能な医療関連行為をひとつひとつ挙げていたらきりがないので割愛します。医療職って大変!
その他、医療従事者間の具体的な業務分担については、厚労省の役割分担通知を本シリーズの「0(前提)」ページでかるーく紹介していますが、現在進行系でタスクシフト・タスクシェアが進んでますので最新の状況は都度要確認です。
名称独占
保助看法29条及び第42条の3に名称独占の定めがあります。
第二十九条 保健師でない者は、保健師又はこれに類似する名称を用いて、第二条に規定する業をしてはならない。
第四十二条の三 保健師でない者は、保健師又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)施行日: 平成三十一年四月一日, https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000203_20190401_430AC0000000066
2 (略)
3 (略)
4 (略)
今回はここまでとします。次回は(4)助産師です。
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