インタビュー「ヘルスケア業界における行政書士の役割」

おおぐし行政書士事務所 代表行政書士 大串 恵氏 インタビュー

おおぐし行政書士事務所の紹介

おおぐし行政書士事務所は、東京都練馬区に所在する、ヘルスケア事業サポートを専門分野とする行政書士事務所。代表行政書士である大串氏は、薬機法・医療法にかかる、化粧品・医薬部外品・医療機器などの製造業・製造販売業許可や、医療機器の認証・承認取得などの許認可申請、薬局・診療所の開設等のサポートを得意とする。

インタビュー者:今日は「ヘルスケア業界における行政書士の役割」というテーマでお話を伺いたいと思います。

行政書士:はい、よろしくお願いします。

行政書士とヘルスケア業界の関係

インタビュー者:こういった質問で始めるのは恐縮なんですけれど、行政書士とヘルスケア業界って関わりがあるんでしょうか。

行政書士:あまり一般に関わりがある印象はないかもしれませんね。どの業界でもそうなんですけど、業として何かを行えば、法律との関わりは出てきます。行政書士は行政手続きの専門家として法律家の一端を担う資格者ですから、そういう意味では、ヘルスケア業界に限らず、ほぼ全ての事業者さんと行政書士は関わりがある、と言えるかもしれません。

その上で、ヘルスケア業界が避けて通れない法律として薬機法や医療法などの存在があります。これらも行政手続きを求めてきますから、行政書士は事業者さんを専門家として支援できるんです。

実は、これらのヘルスケア業界にかかる法律が、なかなか厄介なやつらでして…。御存知の通りヘルスケア業界は、新しいアイデアが次々と生まれる活発な分野ですが、アイデアを事業化しよう、となったときに、薬機法やら医療法やらが壁となって立ちはだかってくるんですよ。

参入者に立ちはだかる壁

インタビュー者:どのような壁となって立ちはだかってくるのでしょうか?

行政書士:ここからは薬機法に焦点を当ててお話させていただきますね。まず前提として、ヘルスケアというのは、人体への影響が射程圏内に入ってくるわけです。そしてそれが一定のラインを超えれば、薬機法の規制下の製品として、薬機法に求められる条件を満たしていないと消費者に届けることはできません。

ですからまず、実現させたいアイデアが薬機法の規制下となるのか否か、なるならどういう区分の規制がかかってくるのか、といったあたりを明らかにしなくてはなりません。よく「該当性確認」と呼ばれたりもしますが、まずこれが第一の壁でしょうね。

インタビュー者:「第一の壁」ということは、他にも壁があるんですね。

行政書士:ええ。ですが、続く壁についての説明はシンプルです。該当性確認で大まかな道は見えているわけですから、「薬機法で求められる条件を満たすこと」と「販売し続けている限りその条件を満たし続けていくこと」です。

前者は業者としての許可、認可や届出だったり、製品ごとに必要な承認や認証の取得や届出などですね。後者については説明は不要だと考えますが、どちらも「言うは易く行うは難し」なのは間違い有りません。

インタビュー者:では、アイデアを事業化する場合、第一の壁「該当性確認」が事業の道行きを決める羅針盤とも言えそうですね。

行政書士:はい、仰るとおりだと考えています。この該当性確認のためには薬機法や関連法令をあたる必要があるんですけれど、まあ一読してわかるようなものでもないため、事業者さんがこの該当性確認の前段階で「何したらいいのか、わからない」という状態に陥りがちなように思います。

インタビュー者:その結果、事業者はどのような選択をするのでしょうか?

行政書士:ざっくり3つのパターンに分類できると感じています。

1つは、壁に果敢に挑むパターンです。しかし、薬機法の理解が不足していると、無駄な試行錯誤をしたり、思わぬ違反をしてしまったりするリスクがあります。

もう1つは、壁を諦めて事業を断念するパターンです。しかし、ヘルスケア業界はニーズが高まっている分野であり、事業を断念するというのは大きな損失です。

そして、最後のパターンは、壁を見なかったことにして不適法なままサービスを提供するパターンです。これは、事業者だけでなく、消費者にとっても大きなリスクを伴います。

事業者に提供しているサポート

インタビュー者:おおぐし行政書士事務所では、これらの事業者をどのようにサポートしているのでしょうか?

行政書士:まず、「壁に挑む事業者さん」には、その壁を攻略するための支援を提供しています。薬機法の解説や、許可や届出の取得に必要な手続きや指導などを行います。各アイデアは唯一無二ですし、法令の改正も多い分野です。決められた道というのはないので、多くの場合には公的な相談窓口もガンガン利用して突き進んでいきますね。

また、「諦める事業者さん」にも、撤退決定前に、壁の高さや厚さを理解していただくためのサポートを行っています。「法律がよくわからないから撤退」というのは一番もったいないと思いますからね。薬機法で定められている要件や、許可や届出の取得に必要な費用などを、具体的に説明差し上げますので、その上で事業判断をしていただくわけです。

そして、「不適法なままサービスを提供しちゃう事業者さん」ですが…。私もこの分野長いので、わかるんですよね。「薬機法、わかんないよね」「コスト、バカになんないよね」って気づかなかったことにしちゃいたい気持ち。気づかなくてやっちゃったなら罪は軽いかなー、みたいな。ですが事業者として「見なかったことにする」は一番してはいけない選択ですし、甘い結果にはなりません。ましてやヘルスケアという人体が絡んでくる物で利益を得るならなおのことです。ですからせめて知識を得てほしいと考え、できる限りの支援は提供させていただいています。正直このパターンが一番消費者リスクに繋がりやすく、業界の評判も落としてしまうためなんとか是正していただきたいので。「いつだって、いまが最速。」ですからね。

インタビュー者:適切な支援を得られれば、事業者としてメリットが大きいことがわかりました。それでは、外部のアドバイザーとして行政書士に相談するメリットは何でしょうか?

行政書士:行政書士は、行政手続きの専門家であり、一部例外はあるにせよ、原則として官公署に提出する書類を代理作成できる唯一の資格者です。ここが一般コンサルさんとの一番大きな差分だと思います。

薬機法で定められている手続きには申請の機会は多いですから、業界に詳しい行政書士がいるのなら、その事務所に頼むのが、一番面倒がない、一番事業者さんにメリットがあると考えています。一般のコンサルタントさんよりも強い守秘義務を負っていますしね。

事業者さんへのメッセージ

インタビュー者:最後に、行政書士に相談を検討している事業者へのメッセージをお願いします。

行政書士:ヘルスケア業界で事業を展開する際には、薬機法の理解と遵守が欠かせません。行政書士に相談することで、事業判断を早く、適切に行うことができ、御社の発展に大きく貢献することができます。実は薬機法に詳しい行政書士、というのはまだレアな存在なのですが、私を含めいないわけではありません。ぜひ、お気軽にご相談ください。

インタビュー終わり

お気軽にご相談ください。

・初回相談は無料です。
・行政書士には秘密保持の義務が課せられております。
・フォームに入力されたメールアドレス以外に、当事務所から連絡差し上げることはいたしません。